判断が進まない状態に対して、「必要な情報はすでに揃っている」と見なされる場面がある。
資料や選択肢が提示され、比較も行われているように見える場合、これ以上考える理由がない状態として扱われやすい。
この見え方の背景には、判断は情報量によって前進するものだという前提が置かれている。
一定量の情報が集まれば、結論は自然に導かれるはずだという理解が共有されていると、判断が止まっている状態は説明しにくくなる。
しかし、情報が揃っていても判断が進まない場面は少なくない。
判断に含まれる条件が整理されていない場合、情報は比較材料として機能せず、単に並べられた状態にとどまりやすい。
このとき不足しているのは、追加の情報ではなく、どの情報を判断材料として採用するかという整理であることがある。
影響範囲や優先順位、判断後に戻れるかどうかといった要素が未確定なままでは、情報が多いほど判断は重くなりやすい。
それでも外部からは、資料が揃い、検討が進んでいるように見える。
そのため、判断が進まない理由が「情報は十分あるのに決められない状態」として捉えられやすくなる。
判断の停滞が情報不足ではなく、前提整理の未完了として生じている場合、このズレは起きやすい。
情報量と判断の進行が直線的につながるという前提が置かれている場面では、判断が止まっている理由が誤って整理されやすくなる。

