決められない状態が続くのはなぜか|判断に含まれる前提の問題

判断したほうがよいと分かっているにもかかわらず、決断に踏み切れない状態が続くことがある。

選択肢がないわけでも、必要な情報が不足しているわけでもない。それでも決めることだけが先延ばしになり、考えが止まっているように感じられる場合がある。

このような状態は、意志の弱さや覚悟の問題として語られがちである。しかし実際には、判断に含まれる前提条件が整理されないまま、結論だけを求められているという形で生じていることも少なくない。

判断には、どれを選ぶかという選択肢だけでなく、その決定がどの範囲まで影響するのか、どこまで責任を引き受けることになるのかといった暗黙の条件が含まれている。

これらの条件が言語化されないまま残っていると、決断そのものが重く感じられ、思考が慎重になりやすくなる。

その結果、判断を先送りする状態が長く続くことがある。これは「決めないことを選んでいる」というよりも、判断に必要な前提を確認しきれていない状態と捉えられる。

また、過去の判断が想定していなかった結果につながった経験がある場合、同じ構造を避けようとして、無意識に決断を保留することもある。外から見ると停滞しているように見えても、内部では条件や影響範囲を探る過程が続いている場合もある。

そのため、この状態は迷いや優柔不断として扱われやすいが、実際には判断の重さを引き受けようとする過程で生じているものと捉えられがちである。

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